「ワンちゃんと一緒に暮らしてみたい」と考えた時に、まず一番にどんな事を考えられるでしょうか?
- きちんと飼える環境であるかどうか?(家族で面倒が見れますか?)
- 何年くらい生きるのだろうか?(小型犬だと10~15年くらいは生きます)
- 家族にアレルギーはいないか?(皮膚アレルギー・ぜんそく等)
- 飼育費用はどれくらい掛かるのかな?(感染症予防ワクチン・トリミング・ドッグフード等)
- 近所・隣室に迷惑が掛からないだろうか?(場所・時間所構わず吠える事だって有ります)
このような事を真っ先に考えている方なら、とても安心してワンちゃんをご紹介できます。しかし、ある意味衝動的に飼いたいと考えている方は、きっとこんな事を考えるのではないでしょうか?
- このワンちゃんが飼いたい
- 男の子がイイ!女の子がイイ!
- あまりお金が無いので安くして!
- 飼えなくなったら引き取ってもらえるの?
- すぐ引き取りたい(生後8週齢未満の幼齢犬)
このような事を考えられている方ですが、お問い合わせを頂いた後から何も言って来ない方が殆どです。勿論、当店としても安心してご紹介出来ませんので、飼養自体を考え直してもらうようにしています。一体何処に原因があるのでしょうか?一つずつ考えていきましょう。
1、については完全に衝動買いの典型的パターンです。中にはきちんとワンちゃんの特徴・性格等を調べている方も多いですが、大体のケースは「知り合い・近所の方が飼い始めて可愛いと思ったから」や「芸能人の○○さんが飼っているから」、「ドラマ・CM等で見てカッコいいと思った」が圧倒的です。
「犬を飼うということ…」のポメラニアンや、「マルモのおきて」のミニチュアシュナウザーが2011年は大人気となった事でもお解り頂けるでしょう!
幸い、あまり大きくならない犬種ですから動物愛護に関わる方(当店もですが…)は大変安心された事でしょう。しかし、一時的にブームとなった柴犬や、ミニチュアダックスフント等がブーム再来となった場合、大変な大騒ぎとなる事でしょう。
販売する側は出せば売れる訳ですから一生懸命産ませて販売します。簡単に言うと乱繁殖するという事です。柴犬やミニチュアダックスが大ブームだった頃、雑種の次に殺処分頭数が多かったのが柴犬とミニチュアダックスでした。犬・猫が人間の冒涜により殺処分されても、飼い主に何のペナルティも課されない時代はやがて終わると信じています。
ここで言いたい事は、「飼いたい犬」ではなく「飼える犬」と暮らす事が大前提だと言う事です。特に初心者の場合は、あまり手が掛からない・お金が掛からない、初心者向けの犬種を選ぶと良いでしょう。
2、については「子を取りたい(子犬を産ませたい)」と考えている方もいるようですが、その場合は貰い手をきちんと考えてから決めて頂きたいものです。犬種によっては1回の出産で7~8頭産まれる事もありますので、引き取り手がいないので殺処分…では現状抱えている問題と同じ事態になってしまいます。
次に考えられる事は、性格・習性の点でしょうか…?「女の子はおとなしいから」や「男の子はオシッコをする時に脚を上げるから」といった理由ではないでしょうか?しかし、本当にこれらが性別を決める理由にあるのだとしたら大きな間違いです。
性格は親犬から引き継ぐ部分も多いですが、多くの部分はご家族様に迎えられてから形成されていくものです。また、男の子が脚を上げてオシッコをする事がマーキングだと思っている方が多いようですが、排泄とマーキングは全く異なります。だったら、何故幼齢犬の時は脚を上げないのか?と逆に質問をすると、大体の場合は答える事が出来ません。正しい知識がある訳でもなく、先入観にしか過ぎない訳ですから答えれる訳が有りません。
マーキングは成長するに連れて芽生えてくる本能によって起こす行動です。自分の匂いをより高い所に付けたくて足を上げている訳ですから、散歩デビューした時やドッグラン等に連れて行った時に覚えてしまう事が多いです。しかし、マーキングを覚えさせたくないからと言って、全く外に出さない訳にもいきません。
外でマーキングする分については大目に見るとしても、家の中で度々やられると家中がマーキングによるオシッコだらけになってしまいますので飼い主様がしっかりコントロールしてあげる必要が有ります。又、家の中で粗相をした場所の匂いをしっかり消臭する!と言った消臭剤もたくさん販売されてはいますが、犬の臭覚に敵う訳が有りません。
きちんとしたトイレトレーニングを積んだワンちゃんであれば、大きくなってからも小さなペットシーツの上で上手に済ませてくれます。しつけの失敗をワンちゃんのせいにしてしまう飼い主様が多いので、ワンちゃんも少し気の毒かも知れませんね…
3、についてはワンちゃんを迎えた後、最後まで面倒を見てもらえるか不安です。ですから、安くして!と言われる方には大型のペット量販店を紹介します。里親を探しているワンちゃんを紹介する事も絶対に有りません。きちんとした考え方でワンちゃんと暮らしたいと真剣に思っている方でなければ、安心して当店からワンちゃんをご紹介出来ないからです。過去の例から見ても、きちんと家族で相談して、待ちに待ってお迎えになって、用意する物に悩んで色々な事を訪ねてこられる方には本当に安心します。
ご家族様全員で可愛がって、時には叱って、病気をしたら皆で心配して、それは我が子のように…
犬を飼うという事は犬と暮らすという事ですから、言わば「家族」なんですよ。
時折、ワンちゃんを金魚や小鳥と同じ感覚で飼おうとされている方もいらっしゃいますが、大型のペット量販店を紹介すると、「安い!」と言って喜んで買っていかれるそうです。記念セールや特売といったペット量販店のチラシを見掛ける事が有りますが、本当にワンちゃんを飼いたくて、真剣に良いワンちゃんを探しているけど予算が…と言われる方には、ブリーダーさんを探して直接交渉してみてもらうように勧めています。
とても遠くまで行かれた方の中には、交通費やらトータルで考えると貴店で紹介してもらったほうが良かった…と言われる方もいました。同様に、ペット量販店で買われた方の多くには、お迎え後すぐに病気に掛かり診療代を考えたら逆に高くなった…という方もいました。
4、については言語道断です。有り得ません!
5、については「犬の社会化期」について説明させて頂き、幼齢時のお迎えに掛かるリスクもお伝えします。大体の方は理解して頂けますが、稀に理解して頂けない方については、3と同様にペット量販店を勧めています。生後35~40日程度でも何の抵抗も無く引き渡しして頂けるハズです。効果が定かではないワクチンを「2回打っているから安心だ」と説明を受けたそうです。店員さんも多くの方は「愛玩動物飼養管理士」等の資格を持ち得ているハズですから、ワクチネーション・プログラム等は充分理解しているのに…。組織で商売している以上は仕方が無い事かも知れません。
と、色々と好き勝手な事を転記してきましたが、やはり巨大なペット販売組織から見ると全うな方式・健全なインターネット販売を運営しているショップ等を少なからず脅威には感じるのでしょうか…?インターネット販売に対する不安要素を発信し、ユーザーの心理を巧みに操るような動きが見られる事も事実です。
特に一番疑問に感じた事!それは、「ワンクリックでワンちゃんを買うなんて…!」と言った有り得ないフレーズです。物販やペットオークションサイトでは無いのですから、「ワンクリックでワンちゃんを買えるサイト」がもし本当に実在するのだったら教えて欲しいくらいです。
色々な事を言い合って、相互が繁栄し業界全体の方向性が纏まる事。そして何よりも、今以上に不幸なワンちゃんを生み出さない事。ワンちゃんの殺処分頭数が限りなくゼロに近づく事。これは、ペット業界の規模がどんなに縮小しようとも、必ず成し遂げなければならない事であると思っています。









